インテーク面接を開始したものの、利用者からうまく情報が得られないことがありますよね。例えばこんな感じ・・・
生活上で困っていることはありませんか?
特にありません
やってみたいこととか、リハビリへの希望はありませんか?
特にありません
チーン・・・
会話が続かずテンパりそうな人は、問診項目だけでなく、心の準備もしておこう!。
開口一番からの流れを準備しておく
緊張して頭がいっぱいになっていると、何から話せばいいのか、わからなくなることも・・・。基本的なことですが、流れをイメージしておきます。
まずは自己紹介
もちろん開口一番は自己紹介。
学生さんであれば「はじめまして。○○学校△△学科の□□です。」と自己紹介を、目線の高さをあわせて、やさしい笑顔でします。
そのあとは、「Aさんのリハビリを担当させていただくことになりました。リハビリをするにあたり、いくつかお話しを伺いたいのですが、よろしいでしょうか?」などと続けるといいでしょう。
これからいただく時間の目的を簡単に説明すると、安心されると思います。
環境面に配慮する
お話しを伺うときには環境面への配慮も必要です。利用者様の状況に合わせた場所を確保しましょう。
話しやすい静かな場所
食堂など周囲の目が気になる場所は、極力さける方がいいでしょう。悩みなどは1対1の方が話やすくなります。
居室を選ぶこともありますし、食堂でも集団から少し離れた場所、窓や壁に向かうと注意がそれにくくなります。
プライベートなことについての聞き取りは、特に他の方に聞かれないような配慮が必要です。
特に、排泄に関すること、自尊心を傷つけかねないことには注意ですね。
目線が合いやすい場所
目線の高さを合わせることは鉄板です。しかし、真正面から見つめられると圧迫感や緊張感が生まれます。すこし角度をつけた方が自然ですね。(90度くらいを目安に)
- 接近時は、斜め45度付近から視界に入るようにする
- 目線の高さを合わせて自己紹介とあいさつ
- 場所を変えて、改めて自己紹介
- 問診は斜め45度~90度の位置でお話しする
- 落ち込んでいるときや目標設定時には、浅い角度(0-45度)で、少し近い距離で話す
ニーズ・デマンドを確認する
利用者様の想いはとても大切です。できるだけリハビリへの希望を否定せずに聞いていきます。
主訴とは、困っていること、希望、要望、自覚症状などを指します。
質問例
まずはスタンダードな質問としては
「日常生活で、困っていることは何かありますか?」
「今後やってみたいことはありますか?」
「リハビリへの希望はありますか?」
「痛みなどはありませんか?」
答えにくそうな場合は、カルテ情報等から課題になりそうなことをチェックしておくといいかもしれません。
「以前に骨折して入院されていたようですが、その後の生活で困っていることはありませんか?」
「家に帰るにあたって、もう少し改善しておきたいことはありますか?」
さらに、具体化すると
「腰の痛みがあったとカルテにありましたが、この頃はいかがですか?」
「立ち上がるときにお手伝いが必要なこともあるようなのですが、現在どれくらいできそうですか?」
あくまで、誘導にならないように注意しましょう。
希望の確認・目標設定につなげやすい問いかけ例
生活期でリハビリを担当する場合、これといった受傷機転がない場合もありますし、家族希望でリハビリ開始となる場合もあるため、主訴が曖昧になることも考えられます。
そこで、動機づけ・目標設定につながりやすい質問が有効となります。
- 「もう少し動きやすくなったら、やってみたいことはありますか?」
- 「あと5歳若かったら、やりたいことはなんですか?」
- 「仮にやりたいことがあるとしたら、どういったものになるでしょうか?」
- 「趣味を聞かせてもらっていいでしょうか?」など
ここでのポイントは、”あるとしたら”、”仮に”、など、あくまで仮の話として聞いてみることです。
やりたいことがなくても、”あえてあるとしたら・・・”、と聞くことで、現在はそれほど思っていなくても、本当は大切にしている潜在的な願望を発見できる可能性があるかもしれません。
心を閉ざしているときの注意
利用者様の表情が険しかったり、返答が鈍かったり、身体が反対側をむいていたりすると、今は心をとざしているサインかもしれません。
利用者の気持ちとしては、「関わりたくない」、「考えたことがない」、「深く考えたくもない」、「そこまで問題意識をもってない」、「もう贅沢なことは言いたくない」、「できないことを認めたくない」などが考えられます。
そんなときは焦らずにアセスメントです。
返答内容からも、認知機能の状況、心理状況、自己管理力などが推測可能です。
特に、受傷後の心理的不安や今後の不安、家族への心配など、複雑な心理状況にも配慮が必要です。
答えられないからといって、矢継ぎ早に質問を繰り返すと、嫌悪感をいだかれてしまうので、落ち着いていきましょう。
まとめ
インテーク面接では、事前情報を頭にいれておくと、話の流れがつくりやすく、質問も生まれやすいので、しっかり準備しておきましょう。
また、答えて頂いた質問を、さらに興味深く伺ってみると、関係が深まります。
ぜひとも、インテーク面接や問診で信頼関係(ラポール)を築いて、セラピーを成功させましょう!
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