他部門からの情報収集~誰に何を聞けばいい?

実習生・新人向け

リハビリ実習での他部門情報収集って緊張しませんか?

誰に何を、どのタイミングで聞いたらいいのか・・・

今回は、老健に配置される専門職種とその役割とともに、情報収集項目をピックアップします。

大前提になりますが、情報収集の目的は、常に確認しておきましょう。

情報収集の大きな目的
  • リスク管理をするため
  • リハゴールを確認・導きだすため
  • 情報を共有するため

情報収集自体を目的にしてしまうと、情報量が膨大になり、収集がつかなくなりますよ。

まずは下準備からはじめよう

どのスタッフもタイトなスケジュールで動いています。できる準備はしっかりとしておきましょう。

  • カルテはしっかり目を通す
  • とりたい情報項目をメモしておく
  • アポイントを取る

カルテはしっかり目を通す

他部門情報を収集する前に、基本的な情報はしっかりと確認しておきます。

リスク管理に必須です。詳しくはカルテからの情報収集のコツを参照ください。

komaty-ot.com/karte-information

とりたい情報項目をメモしておく

今回のテーマとなります。主に目的ごとに分類すると、

  1. リスク管理の上で必要な情報:医師、看護師、管理栄養士、介護職
  2. ゴール設定に必要な情報:施設ケアマネジャー、支援相談員、家族、介護職

アポイントを取る

入所施設は24時間で動いています。職種によって立て込んでいる時間がありますので、事前に情報収集する時間を約束しておくことを勧めます。

アポイントは実習指導者がとってくれることもあるので、事前に相談をしましょう。

各専門職を紹介~役割と情報収集項目

老健は運営基準に沿って様々な専門職が働いています。しかし配置されている人員は、それほど多くありません。そこで、各専門職を

  1. 役割
  2. 老健の人員基準
  3. 確認したい項目

にわけて解説します。

①医師

  • 役割:医学的管理を行い、利用者の状態を診断し、薬や療養上の指示を各職種に出します。
  • 人員基準:老健には1名以上の常勤医師が必要です。
  • 確認項目:リハビリ実施の上でのリスク・注意事項など(病院とは違う)
特記

老健は病院ではないため、疾患の詳細については返答しかねる場合があります。治療のために利用しているわけではないので要注意です。くわしくは生活モデルの記事を確認ください。

※医師は施設で1名のことが多いので、時間調整が必要です。

②看護師

  • 役割:医師の指示のもと状態観察や、服薬管理・各種の処置、生活支援を行います。
  • 人員基準:入所者3人に対し、看護師または介護職員が1人以上必要であり、看護師と介護職員の総数の7分の2程度が必要とされています。
  • 確認項目:看護上の問題点や食事・排泄コントロール、服薬管理状況など

※看護師は介護士にくらべて人員が少なく、すべてを把握しているわけではありません。全フロアを担当していることも多いので、詳細は介護士に聞く方がよいこともあります。

③介護士

  • 役割:介護領域での主戦力。日常の生活支援、身体介護、環境整備、レクリエーションなど
  • 人員基準:入所者3人に対し、看護師または介護職員が1人以上必要。看護師と介護職員の総数の7分の5程度が必要とされています。
  • 確認項目:早朝夜間の様子、ADLの状況(特に食事排泄)、対人関係の様子、転倒歴、日常ケアでの困りごとなど

※日々の介護の中心を担っています。担当の介護士の方からお話しを伺ってみましょう。

④管理栄養士

  • 役割:栄養指導、食事・食形態の管理
  • 人員基準:定員100人以上の場合、1人以上
  • 確認内容:栄養状況、食事形態など

※運営基準上は栄養士でも可です。低栄養で褥瘡リスクのある場合は、しっかり状況確認しておきましょう。

⑤施設ケアマネジャー

  • 役割:本人に希望を聴取して生活課題の分析、ケアプランを作成
  • 人員基準:1人以上(100対1が基本)
  • 確認内容:入所目的、施設サービス上の課題、家族との関係など

※ケアマネジャーの主な仕事はケアプランの作成です。施設によっては支援相談員との兼務、介護士との兼務をされている場合があります。

⑥支援相談員

  • 役割:入所退所時における関連各所への連絡調整、家族・本人からの相談
  • 人員基準:1人以上
  • 確認内容:入所目的 家族状況 今後の方向性

※在宅復帰予定か、施設生活かによってゴールが大きく変わります。家族との関係、居宅環境についての情報の有無を確認しましょう。

※入所時の情報を一番にぎっているのが支援相談員です!

⑦リハビリ

  • 役割:利用者の機能練習、環境設定、
  • 人員基準:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれか1名以上
  • 確認内容:ゴール設定、リハビリの進捗状況

※PT、OT、STが複数配置される施設も多くなりました。PTならOT・ST、OTならPT・STに、リハ目標や進捗状況など周辺の情報収集をしてみましょう。

家族

家族を他部門とするのか悩むところですが・・・。家族情報は重要です。

確認項目:直近のADL状況、在宅復帰時の心配事、家屋環境、ご本人の趣味特技など。

これらの情報は、退所後の生活をイメージするために有効です。

まとめ

他部門情報の収集は、なんといっても事前準備が重要です。各職種の役割や仕事を理解したうえで行動しましょう。

しかし時間を意識しすぎて、尋問のような質問のマシンガントークは避けましょう。あくまで、お互いのコミュニケーションを大切に!

まとめ:情報収集は準備が大切
  • カルテからの情報収集
  • 部門ごとの質問項目をまとめておく
  • アポイントをとる(指導者と進め方を相談する)

※カルテ情報をチェックした後、最終ゴール(在宅復帰の可能性)を確認もしくは想定しておくことをおすすめします。

※入所前のADL情報が確認できたら、在宅復帰後を想定しやすくなります。

⇒これらを想定の上、他部門をあたるとコミュニケーションがとりやすくなります!

ちなみに、想定ははずれてOKです。この過程の積み重ねが、情報収集力の向上につながります!


老健に関わる皆さんがハッピーでありますように!

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