問診は担当利用者様とのファーストコンタクトで実施する大切な評価場面です。
第一印象が今後の治療パフォーマンスにも影響するので、緊張もしますよね。
今回は、問診の目的と方法についてまとめてみました。
問診の目的
問診も評価の一つです。
尋問や単なる日常会話とならないように、目的をはっきりさせて臨みましょう。
主訴の確認
一般的に問診の目的は主訴の確認です。
利用者様がお話しされる主訴によって、リハビリアプローチの方向性を決めることになります。
主訴は、利用者の訴えや要望のことであり、困っていることやリハビリへの要望です。
信頼関係の構築
問診ではつぎつぎと質問をくりかえすような「尋問」にならないように配慮し、良好なコミュニケーションをとることで信頼関係(ラポール形成)をつくることも目的のひとつです。
問診の準備をする
リハビリスタッフが担当する場合は、事前に疾患、リスク、これまでの経過などをカルテ情報から把握しておく必要があります。
生活歴や趣味などの個人因子に関する情報があれば、生活像をとらえるのに役立ちますね。
事前に主訴を予想しておけば、実際の訴えとの違いを比較できれば、評価の奥行きが深まると考えます。
ただし、思い込みによる誘導にならないように気をつけましょう。
質問の例
困っていることを伺い、それが生じる場面や時間・期間、思い当たることなどを聞いてみましょう。
「日常生活上で困っていることはありますか」
「動きにくいことはありませんか」
「痛みなどはありませんか」
「いつごろから、その痛みはありますか」
「どんなときにその痛みは起きやすいですか」
「これまでに、そのことで他の病院や施設を利用したことはありますか」
質問はオープンクエスチョンの方がいいのですが、体調や理解の程度によってはイエスノーでこたえられるクローズドクエスチョンの方が円滑な場合もあります。
繰り返しますが、セラピスト側の思い込みによる誘導にならないよう、十分な配慮をしましょう。
主観を尊重する
ご本人のお話しが事実かどうかよりも、主観を大切にします。
どのように感じているか、どのように記憶しているか、どのように理解しているかを伺うことで、ラポール形成がされやすくなります。また、認知機能や個人特性を確認することができます。
協力的ではないことも想定する
お話しを伺おうとしても、協力的ではなく、多くを語らないケースもあるかと思います。
このようなときは、あせらないことです。
利用者様の立場になれば、病気やこれまでの経過により自暴自棄になっていたり、抑うつ的になっている場合もあります。受け入れるまでに時間がかかるかもしれません。障害受容過程のどの段階にあるのかも推測できれば、これからの対応に役立ちます。
ただし、自分の言葉遣いや態度、または時間や場所に問題がなかったかは振り返っておきましょう。
まとめ
学生や新人の場合は、緊張してうまくできないかもしれません。
しかし、問診がうまくできるようになれば、信頼関係の構築ができ、同時に動機付けもできます。利用者様が協力的かつ積極的に治療参加されると、改善率も満足度も向上しやすいので、ぜひ問診を大切にしましょう。
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